大学ラグビーが人気があったのは10年前までだろうか。
トップリーグがプロリーグとして設立され下手くそなプロモーションながら着実に認知され、社会人ラグビー時代とはまったく違うレベルになった。
確かにローカルな意味では大学ラグビーの良さも捨てがたい。
人気大学が強ければ確実に客も集まった。
10年に1校位、強くなったり弱くなったりの入れ替え。
ラグビー協会も大学ラグビーを中心に回っていたから役員も強豪校 OBで固められていた。
社会人になってもその傾向が強く大学時代の人気プレーヤーがいるチームが人気だったりしていた。
これでは国際レベルのチームなんて組織するのは至難だった。
ワールドカップが創設され、アジアで一番ということだけでフル出場だけはしていた。
しかし、勝つことは一回しかないというレベル。
そんな中で社会人ラグビーからトップリーグになり熾烈な戦いが多くなったのは外国選手を導入して各チームが強化したからだろう。
もはやローカルではなく国際化されはじめた。
もちろん、大学ラグビーだって、大東文化大学のようにトンガから優秀な留学生を集めて日本一になったりしていた。
これに対し、批判的なご意見が多かったようだが今、大学ラグビーの強いチームは外国人留学生が多い。
鎖国ラグビーがとうとう開国したのは日本代表監督にカーワンを起用したことからだろう。
カーワンは日本で活躍した選手時代は人気があった。
指導者としてはかなり苦労していたようだ。
なにしろ、外人選手が日本代表に入るということにアレルギーがあったり、事実ちょっと彼らに頼ったチーム作りだったからかもしれない。
ワールドカップも全敗。
その後の強化は結構うまくいって今回のワールドカップ3勝1敗。
エディージョーンズはサントリーで指導実績を上げそのまま日本代表監督。
徹底したフィジカル管理で選手をその気にさせたのは素晴らしい。
ラグビーは生身でコンタクトするスポーツで素手の打ち合いみたいなものかもしれない。
ただしルールがあり相手を倒すためにプレーするものではない意識が人間の知恵。
ボクシングのような殴り合いでもないしレスリングのようなショーでもない。
リアルな戦争ゲームだが空手の寸止めのような闘争心とルールをいかにコントロールできるか。
よく、規律を守りきれるチームが強いというのはそれだ。
暴力行為は自滅する。
その裏づけは体力にあるのも皮肉かもしれない。
寸止めの方が体力が必要なのだ。
寸止めするということは相手にダメージを与えない、つまり反撃を受ける。
そんなやりとりが素晴らしい。
人はだれでも反撃が恐ろしいからノックアウトしちゃうのだ。
話が逸れてしまった。
つまり、大学ラグビーとかジャンルがあまりにも狭いと成長がそこで止まる。
プレーの成熟度もそのレベルなのだ。
素質があってもいい企業に就職するための手段だったりする。
4年間で燃え尽きちゃっていいというかその方が良かったかもしれない。
ラグビー人口はけして多くはない。
ましてや才能あるプレーヤーは少ない。
選手を十分に育て上げなければ世界では通用しない。
この条件だと大学ラグビーなんてほんの一瞬でしかない。
しかも成長する時期なのも悩ましい。
以前は苦しい練習に耐える力が社会人の仕事能力を養うという考えだった。
今はフィジカルに鍛え上げてプレーを楽しむ。
大学ラグビーにはこれが少ない。
苦しいだけで終わる。
苦しさの先にある栄光をみることはなかった。
苦しんでそれが勝利につながれば一生の思い出程度。
それを観戦する客もプレーよりそんな目で暖かく見守ることだった。
今は世界の頂点を目指す過程。
だから未熟でつまらないということになる。
しかも学校単位の応援だったりする。
それは非常にいいことだが頂点ではない。
日本ローカルのしかも学校単位の話だ。
大学ラグビーが頂点だった時代は過去。
今は日本代表予備軍というかトップリーグ予備軍ということ。
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